栗林 賢次 / Kenji Kuribayashi

一級建築士 国土交通大臣登録 第224494
一級建築士事務所 大阪府知事登録 第(ヘ)14665号
社団法人日本建築学会会員
社団法人日本建築家協会会員
社団法人大阪府建築士会会員
栗林賢次建築研究所 慰安旅行2日目
2017.12.19
こんにちは。
所員の辻林です。
建築ツアーと題しまして、12月13日~16日の四日間に行ってきた慰安旅行。
今回は2日目、14日の様子を紹介させていただきます。
2日目のスケジュールは、栗林建築研究所で過去に設計した飯能の家の10年目点検に行き、
新国立美術館で安藤忠雄展―挑戦―を見に行き、建築倉庫を拝見、
広瀬鎌二氏設計の住宅を改修したしゃぶしゃぶ屋でご飯を食べ、
谷尻誠氏設計のBOOK AND BED TOKYOに宿泊という内容たっぷりの一日です。
この日は朝より、中島社長に貴重な話をいくつもしていただきました。
実際夢をつかみ、自分自身のやりたい事を実現するために行う努力の方向性、守るべきこと、ご縁の大切さ等を改めて考えさせられ、
自分自身の甘さに嘆息をもらさざるおえませんでした。
そんなこんなで始まった14日ですが、この日は一日を通して打ちのめされることになるのです・・・

TOKYO STYLEを出発して一番初めに向かったのが、
栗林賢次建築研究所で過去に設計を行った飯能の家。
10年目点検と、過去作品の見学を兼ねて行いました。
いざ点検ということで、各部を見て回ったのですが、
建物を覆うチタンは不具合も再塗装もいらない状態であり、流石の耐久性を誇っていました。
また、内部も漆喰の補修等の生活の上での汚れ等はありましたが、
大切に住まわれており、大きく汚れている所はなく、10年経ったとは思えないくらい綺麗でした。
とはいえ10年経てばある程度メンテナンスが必要な箇所は出てくるものです。
ただ、深刻な不具合や劣化はなく、軽微なものばかりでしたので、
設計と施工精度の高さに感無量です。
また、点検の際、建物をじっくりと観察するのですが、
初めて見る飯能の家は、随所に拘ったディテールがちりばめられており、
圧巻の一言でした。
「あんなことまで!」「なんと!ここまでするか!」という箇所がいくつもあり、
ここまでとことん追求することが設計なんだと、みんな打ちのめされた気持ちになりました。
ちなみに、NOTEの選択欄でカーソルを合わせた時に出てくる写真が、
佐野さん打ちのめされたの図です(笑)
個人的にはもう一つ打ちのめされたことがー
10年点検の作業中、上着がいらないくらい家の中はポカポカと暖かかったので、
暖房を点けてくれているのだろうと考えていたのですが、
暖房は点けていなかったとのこと・・・
冬のこの時期に暖房なしでこれだけ暖かいとは・・・
環境に則した設計を行うことで、こうも温熱環境が変わるものなのかと、驚きが隠せませんでした。
色々と設計に対する考え方が変わった10年点検となりました。

次に訪れたのが新国立美術館の安藤忠雄展―挑戦―
平日に訪れたのにも関わらず、平日とは思えない混みようでした。
安藤さん人気がうかがえます。
安藤忠雄展―挑戦―では「原点/住まい」「光」「余白の空間」「場所を読む」「あるものを生かしてないものをつくる」「育てる」
という6つのテーマに分けて、安藤さんの半生や軌跡を紹介する形となっていました。
「建築というのは、体験しなければいけない」というコンセプトのもと様々な展示を行っており、
まさに圧巻の一言につきます。
コンセプトを体現している目玉展示が「1/1 光の教会」
1/1とはいえ、増築申請を出している立派な建築物です。
鉄骨造であることや、本物と違う箇所が多いことで色々な意見が散見していますが、
ノイズの豊田氏や日建の山梨氏が、ニセと本物のあり方についてコラムを書くなど、
独特の発展をしています。
くそまじめでありながら面白おかしい対話が生まれ、議論が活性化していく様は、
なにか安藤さんらしいなと思います。
本当に奥が深い展覧会であったため、栗林賢次建築研究所の全員が、
それぞれに思う事があったようです。
僕自身は展示の最初に飾ってあった、旅行の時に書かれた絵が一番心に残っています。
空間の本質をとらえようとせんばかりにかかれた絵は、
まさに本質に挑戦している姿であり、原点であるように感じました。

