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栗林賢次建築研究所 慰安旅行3日目

2017.12.21

こんにちは。

所員の辻林です。

建築ツアーと題しまして、12月13日~16日の四日間に行ってきた慰安旅行。

今回は3日目、15日の様子を紹介させていただきます。

3日目のスケジュールは、ホキ美術館、木材会館という日建設計の建築、

妹島和世氏設計のすみだ北斎美術館、丹下健三氏設計の東京カテドラル聖マリア大聖堂をまわり、

​村野藤吾氏設計の三養荘に宿泊するという流れです。

朝8時にBOOK AND BED TOKYOを出発し、

ホキ美術館に向かいました。

ホキ美術館は、日本で初の写実絵画専門の美術館です。

昭和の森に隣接した敷地という自然の一部となれる場所を選び、

自然光を展示空間へと導き入れることで森の中を散策しながら絵画を鑑賞しているような状態を作りました。

​(ホキ美術館HPより抜粋)

ホキ美術館
ホキ美術館
ホキ美術館
ホキ美術館

キャンチレバー部の写真が有名なため、大きい建築かなと思っていたのですが、

実際は周辺の住宅と合わせるような高さ設定をおこなっているようです。

キャンチ部は1階のRC部より浮いており、スリットから反対側の緑がみえること、

背景の植栽を意識したであろうコンクリートの目地割を行うことで、軽やかに見せていることなど、

突飛な形状ながらも、周辺の環境に配慮している様子が伺え、計画の細かさに感動しました。

内部の展示空間に関しても、コンクリートをグラデーションで塗装することで、

光りの表現?を行っていたり(それだけでなく、コンクリートと別素材の納まりも良くしていた)、

細かなデザインが空間を良い空間に仕上げていました。

残念ながら自然光が入る展示空間は、カーテンで仕切られていたため、体験する事はできませんでしたが。

ちなみに、写実絵画を初めて鑑賞したのですが、とても興味をひかれました。

写真や印刷物のRGBやCMYKでは表現できない世界感が広がっており、

像をとらえるというよりは、本質的な存在をとらえようとする姿に感動しました。

サルトル著の嘔吐の主人公ロカンタンが、存在を追い求める様を思い出し、

とても哲学的な、本質的なものなのではないかと感じました。

特に塩谷亮氏の月洸には息をのみました。

竹林の絵なのですが、そこに存在する恐怖や不思議さ、息づかい等が伝わってくるようで、

​果たして本質的な存在とは?偽物と本物とは?等、様々な考えが浮かびました。

とても良い経験をしました。

そして、次に向かったのも同じ日建設計が設計した木材会館です。

木材会館
木材会館
木材会館
木材会館
木材会館

池田さんが聞いた話では、ファサードの木材部分は退色した時、コンクリートの色と合うように設計しているとのこと。

何か日本人的な美意識を感じます。

また、内装は木がふんだんに使われているのですが、

避難安全検証法を駆使することで、内装制限による木材の規制を緩和し、この空間を実現しているのだとか。

深いテラススペースや各所に配置された室が、どこか方向性を感じさせない設えとなっており、

ホキ美術館とは違い、都市に建つことの意味を考えさせられます。

​次に訪れたのは、妹島和世氏設計のすみだ北斎美術館。

アルミパネルの外観が印象的な建物で、

以前訪れた時には、空と一体化している風景を目の当たりにしました。

残念ながら今回は曇りだったのですが、町の中に幽玄に佇む景色は奇妙にも周囲と溶け込み、

あまり圧迫感を感じませんでした。

すみだ北斎美術館
すみだ北斎美術館

個人的に面白いなと思ったのは、公園との建物の接続部分に緩衝帯としてある植栽。

コンクリートをひょうたん型に切り欠き、土を入れているんですが、

この妹島氏のアイコン的ひょうたん型が、公園と建物をとても自然につないでいるように感じました。

細かな箇所ですが、ひょうたん型や緩やかな曲線がとても効果的。

​次に訪れたのは、丹下健三氏設計の東京カテドラル聖マリア大聖堂。

内部は写真撮影NGだったので、写真はないのですが、

洞窟の様な内部空間は圧巻でした。

暗闇に光がさすとはこういう事なんだなとしみじみ。

​天井高さの低いエントランスから、徐々に大空間へと広がるシークエンスも絶妙でした。

東京カテドラルマリア大聖堂

そして最後は、​村野藤吾氏設計の数寄屋建築の三養荘にて宿泊。

長い廊下にポツポツと取りつくように部屋がある面白い平面をしています。

ただ三養荘探検は4日目の朝にしましたので、紹介は次回の更新でいたしますね。

三養荘

辻林政憲

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